SF小説「広島へ帰る前に」第2巻

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 第2巻:フィラデルフィア実験


この小説は連続ものですので、
初めての人は、第1巻からお読み下さい(ᵔᴥᵔ)
   ↓
広島へ帰る前に:第1巻

平日の図書館は、すいていた。
そして事件・事故のコーナーがないか探した。
大きな図書館らしく、そんなマイナーな文献でも、数多くある。




ぶ厚い本があった。「世界の事故特集」
それをテーブルに持ってゆき、”フィラデルフィア実験”を探した。


あった!…ここに秘密が隠されてるかも知れないぞ。


オレはそのページを開いた。



フィラデルフィア実験について

第二次世界大戦中の1943年10月28日。
アメリカ、ペンシルヴァニア州フィラデルフィアで
大規模な極秘実験が実施された。


磁場発生装置、テスラコイルを使い、
敵レーダーに映らないようにする実験。




テスラコイルの発明者、ニコラ・テスラは、
有人実験については、あまりに身体的・精神的に危険、
との理由で反対していた。


無人実験を一度済ませた米海軍は、有人実験に固執した。


有人実験への反対を貫いていたニコラ・テスラは、
結局現場から追放され、テスラ抜きで強引に実行された。


実験に使用されたのは、駆逐艦エルドリッジ号
船内には乗組員30数名が持ち場に付き、
船内には多くの実験装置が搭載されていた。




午前9時、いよいよ実験は開始された。
スイッチが押されると、装置はすごい音を立て作動した。


海面からは緑の煙が湧き出し、エルドリッジ号を覆った。
そして艦はみるみるぼやけてゆき、やがて透明化した。


レーダーはもちろん、人の目からも消えたのである。
実験は大成功・・と観測者からは拍手と歓声がおこった。




しかし、実験のショックで
艦橋の電気機器・送信機は破壊され、
艦内とその周囲に強力な電磁場が発生していた事に、
誰も気づいていなかった。


周囲で見守る観測船や係員も、艦があった場所には近づかず、
再び現われるまで待っていた。


姿を消していたエルドリッジ号は、待つこと15分、再び姿を現した。
海軍関係者や観測者・学者らが艦内に入った。




その時である、観測者らは声も出ず立ち尽くし、
気絶する者や甲板に出て嘔吐する者も居た。


艦内では、戦慄の光景が広がっていたのである。
心臓の弱い人は、ここでページを閉じて頂きたい。


船内は…

体が火で燃え上がっている者、
体が凍り付いている者、
体の一部が欠損している者、
首なし死体となり、艦内の空間を浮遊している者、
体の半分が透明になっている者。


そして体が、なんと壁と融合している者、
同じく体が溶け、金属製の大型機器と融合している者。


叫び声は聞こえるが、透明化して姿が見えない者。


~その日だけで18名が死亡、
 その他発狂者7名、残りの乗組員もその後癌を発症し、
 すべて1年以内に死亡した。




海軍ではその後1ヶ月間、
この恐ろしい事故について毎日話し合われた。


このことが国民にバレれば一斉に叩かれる事を恐れ、
実験を無期限中止。更に極秘事項とする事が決まった。


しかしその13年後の1956年、
アレンディという人物からジェソップという作家のもとに
この実験に関する密告書が送られ、秘密が漏れてしまった。


密告書を受け取ったジェソップは3年後に変死体で発見される。
密告者アレンディは、それ以降、現在も行方不明である。



 
ではなぜ、このような事故が起きてしまったのか?
次の2つが、この事故の主要な原因とされている。


事故の理由1

レーダーの不可視化と、人の目からの不可視化の予定が、
あまりに強力な電磁場で発信機や電気機器が破壊され、
船体の周波数がズレてしまった。


我々が居る世界は、ご存知の通り3次元である。
三次元には、三次元だけで見える周波数がある。

(いま、あなたの前にあるコップは何故見えるか?
 それは三次元で見ることの出来る周波数だからだ)

そして船体の周波数がズレたため、
三次元の我々に船体が見えなくなるのは当然である。


そして艦は四次元空間の周波数と一致してしまった。




四次元というのは何か?
場所だけでなく、時間の移動も自由な空間だ。


超高電圧による電磁場を発生させることで
超光速の素粒子タキオンを呼び込み、
一瞬にして遠い距離と時間移動も可能な技術。


事故の理由2

1943年のフィラデルフィア実験では
「エルドリッジ号は15分間、フィラデルフィア沖から姿を消した…」とある。


そして40年後の1983年に
フィラデルフィアから400km南に離れたヴァージニアビーチで
エルドリッジ号が15分間だけ、目撃されたことがある。




この”15分” という時間が見事に一致する。


~以上2つの理由により、駆逐艦エルドリッジ号は、
 時間・場所ともに一時的に移動した可能性が高い…といえる。


ちょうど読み終わった頃、図書館員が近づいてきた。
「申し訳ありませんが、今日はもう閉館です。」


オレは尋ねた
「この本、借りれますか?」


図書館員は
「赤い帯つきのものは重要書籍になりますので、
 閲覧のみになります。それは重要書籍になっております」




オレは図書館を出て帰る途中、頭の中を懸命に整理していた。
今回の紺野君にまつわる不思議な出来事も、
フィラデルフィア実験につながっているのだろうか?


今日は8月4日、…おや?あさっては広島の原爆記念日だな。
それに合わせるように、不思議なことが起こっているのか?


紺野君のおじいさんの写真や帽子など、
ひょっとしたら62年前の広島から送られているの?




じゃ、誰が送っているの?
相当あたまのいい科学者でなきゃ、出来ないよな。
フィラデルフィア・・・・・ん?


図書館で読んだ本によると、
「ニコラ・テスラが有人実験の前に
 メンバーから外された…」と書いてあった。


ではテスラなのか?・・いやそれは不可能だ。
白人が戦時中の広島に潜入して実験するのは不可能
・・じゃテスラの弟子か?


日系人の科学者が広島にもぐりこみ、
我々に交信しているのかも知れない。




紺野君から借りたメモ帳の中の
「融合ハ避ケレル・・」「4度目ハ実物・・」
これはこちらに対するメッセージなのか?


ちょっと待て! メモ帳には
「似タ者同士ヲ転移スル事デ、融合ハ避ケレル・・」
と書いてあった。


似た者同士とは、紺野君と、紺野君のおじいさんの事か!?


あのメモ帳のことをもう一度考えてみた。
そう言えばあの入れ替わったメモ帳、まったく色あせていない、


戦前や戦時中の紙ならば、すっかりセピア色になってるはずだし、
表紙もページも、ボロボロになってるはず。


だけど、まるで昨日書いたようにキレイな紙、
そしてキレイなメモ帳だった。


まさか、あのメモ帳、
戦時中の広島から転移されたものだろうか?




そしてオレはもう一度、
図書館で読んだ本を思い出していた。
「事件事故特集」の本には、フィラデルフィア実験以外にも、
こういう事件が載っていた・・
   ↓

1980年代後半、アメリカの飛行場での出来事、
旅客機がいつも通り着陸準備に入った。
管制官は普段と変わりなく、慎重に着陸を見守っていた。


すると着陸2分前のところで、突然その旅客機が消える。




旅客機が消失したのである。
管制官らは大慌てになり、双眼鏡で機を探す者、
そしてある者は外に出て、飛行場の上空を血眼になって探した。


しかし旅客機は現われない、
もちろんその機との無線通信も途絶え、
手の打ちようがなく、みな立ち尽くすばかりであった。


そうこうしているうち、消えてから10分後、
旅客機は突如として再び上空に姿を現し、無事に着陸した。


着陸後、機体から出てきた乗客や客室乗務員・機長らに
飛行場職員らがやんやと詰めかけ、
「いったい機内で何が起こっていたのか?」

~と尋ねた。


客室乗務員・機長らはキョトンとして

「いったい何の事?」
「普通に着陸するのがそんなに珍しいの?」

~と答えるだけであった。




乗務員らは、

●「別に機内では何も変わった事はなかった」
●「いつも通り飛行場上空に入り、
 普段通りスムーズに着陸しましたよ」


~と話すばかり。


10分間消えたことを聞かされても、
機長・副機長・客室乗務員は
何のことやらさっぱり分からず、
みな違口同音に
「何も消えてはいないし、景色も変化なかった」・・と話す。


その後判明したのだが、
乗客・客室乗務員・機長・副機長らの腕時計を見せてもらうと、


全員の腕時計の針が、世間より10分遅れていた。




…こういう事である、
つまり旅客機は私たち三次元の目からは
確かに10分間消えていたのだが、
乗客・乗員らはその「10分間」を経験していない。


彼らにとっては、飛行場の上空にさしかかり、
着陸するまで途切れる事なくひとつながりなのだ。


乗客・乗員、そしてその腕にはめていた時計も、
「この世の10分間」を全く体験しなかった、
よって、時計は世間よりも10分遅れたままなのである。


そして紺野君のおじいさんのメモ帳も
62年という時間を体験せずにここにやって来た。
だから紙や筆跡も、まるで昨日のように美しいままなのだ。


~ つづく・・
  ↓
「広島へ帰る前に」第3巻へ進むヽ( ‘ω’ )ノ

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